辛味成分ジンゲロン

「肉や魚の生食を好む日本人の食生活にとって、細菌の繁殖を抑えてくれる薬味類は欠かせません。冷蔵庫などがなかった時代から、食あたりを防ぐ知恵として幅広く活用されてきたんですよ」と教えてくれたのは、

「例えば、生姜に含まれる辛味成分ジンゲロンやショウガオール、にんにくに含まれるアリシンには強い殺菌・抗菌作用があり、生肉に添える薬味としてよく使われます。刺身につきもののわさびには揮発性のアリルイソチオシアネートという強力な抗菌成分が含まれていて、食中毒の原因菌として有名な“腸炎ビブリオ”などに強い効果を発揮することも知られています。また、梅干しに含まれるベンズアルデヒドには防腐作用があり、お弁当や保存食によく使われますね

キャベツには、胃腸の粘膜の修復を促す成分のキャベジン(ビタミンU)が豊富。特に冷蔵庫で保存すると増える。また最近の研究で、胃腸の粘膜修復作用があるリゾホスファチジン酸(LPA)という成分も、生のキャベツを細かく切るとキャベツの酵素が働いてできるとわかった。