女子サッカーのバルセロナ

世界ランク4位の日本が世界ランク5位スウェーデンを下し、五輪、女子W杯を通じ女子初のメダル獲得が決まった。日本は1―1の後半15分にMF沢のヘディングシュートで勝ち越し。さらに4分後にFW川澄のゴールで突き放し、反撃のスキを与えない圧倒的内容で逃げ切った。試合後のピッチにはなでしこの笑顔が咲き、4万5000人以上を集めたスタジアム内から大きな拍手がわき起こった。

 日本は前半10分にミスから失点を許した。しかし同19分、この日初先発出場のFW川澄が、左からのクロスにファーサイドから右足で押し込んだ。同点に追い付いた日本は、試合の主導権を握り前半を終えた。

 “女子サッカーバルセロナ”の異名をとるイレブンは、相手の疲れが見え始めた後半にさらに圧倒した。後半14分にFW安藤のヘディングシュートのこぼれ球を、キャプテン沢が頭で押し込み今大会得点王タイの4得点目でリードを奪った。さらに4分後の同19分、FW川澄がこの日2点目となるロングシュートを無人のゴールに決めて、北欧の強豪を突き放した。

 日本は決勝でFIFAランク1位で3大会ぶり3度目の優勝を狙う米国と17日(日本時間18日未明)にフランクフルトで対戦する。FIFA主催の女子大会で日本が決勝に進むのは、準優勝した昨年のU―17W杯以来で2度目。五輪と年齢制限のないW杯で日本がメダルを獲得するのは、1968年メキシコ五輪の男子銅メダル以来の快挙となった。

 佐々木則夫日本女子代表監督「ミスで失点して目が覚めて、自分たちのサッカーができた。初めて先発した川澄がよくやってくれた。(決勝は)ここ(W杯)へ来る前の米国との2敗をいい教訓に戦いたい」

 沢穂希「自分が失点に絡んだが、点が取れるという雰囲気はあった。絶対に取り返してやると強い気持ちを持って後半に入った。決勝は米国とやりたかった。絶対に金メダルを取って、日本へ帰りたい」

 川澄奈穂美「アヤ(宮間)がいいボールを上げてくれたので、走り込むだけだった。(初先発は)これまで4試合やってきたので雰囲気は慣れていて、緊張はなかった。(この日2点目は)ゴールが空いていたので、思い切って打ちました」

 安藤梢「DFラインを中心に一人一人が体を張れた。ここまできたら優勝カップを掲げたい。(決勝の相手、米国は)強豪だが、最0高の舞台で倒したい」