旭市と同様の言葉

岡田氏は4月16日、津波の被害に遭った千葉県旭市を視察した。そこで農業関係者がこう窮状を訴えた。

「出荷制限で3月の収入はゼロだが、東京電力からはビニールハウスなどの電気代で20万円の請求があった。農産物の値崩れも深刻で、風評被害も補償対象にしてほしい」
 岡田氏は、愛想良く即答した。
「補償基準を早急に決めて、生活ができるように努力します」
 この“政治家答弁”に周囲は呆れ返り、農業関係者の1人が詰め寄った。

「岡田さんのお父さん、お兄さんはイオンを経営している。我々を助けると思って、農産物を買ってもらえるように頼んでほしい」
 それまで笑顔を浮かべていた岡田氏の表情は、苦虫を噛み潰したように険しく豹変。挙句、こう切り捨てたのだ。
「それとこれとは別の話でしょう」
 ご存知の通り、岡田氏の父卓也氏はスーパーのジャスコを展開するイオングループの創業者で、兄の元也氏が社長。だが、岡田氏は“家業”の話題を極端に嫌い、永田町では彼の前でイオンの話をするのは御法度だという。

 実は岡田氏、4月3日に福島県いわき市、12日に東京・新橋の福島県物産展を視察した際にも、旭市と同様の言葉を投げかけられていたのだ。
海堂尊氏の同名小説(新潮社刊)が原作で、松坂慶子(58)が「代理母」に挑むのである。それも、ドラマの副題「娘のために産むこと」が示すように、病気で子宮を失った一人娘の頼みで、娘夫婦の受精卵を宿す55歳の母親役だ。

 国仲涼子(31)演じる娘は、不妊治療を手がける産婦人科医。母親に自分たちの子供を代理出産してくれるよう頼み、かつて自らが育った胎内に受精卵を移植する。
「松坂さんとは大河ドラマ篤姫』などで4、5回、ご一緒しているのですが、主役では初めて。主役を演じるときの凄さを知りました」
 と言うのは、制作統括の佐野元彦氏。
「現場で何が起ころうと、ニコニコ笑って、皆を明るく包み込む。撮影では、役になりきっていて、セリフが身体に入るどころか、身体そのものになっているので、NGは起こりえない。受精卵を宿してからは、本当にお腹に赤ちゃんがいるみたいに、歩き方も摺り足だし、休憩中でも、格別寒くないのに、何気なくショールを羽織っていたり」
 娘の懇願に負けた母は、いったん決意すると、娘が驚くほどの積極さで、代理出産に突き進む。やがて、“孫”になるはずのお腹の子供に、自らの母性が目覚め、娘が計画している出産後の“企て”を知ると、母娘の葛藤が強まっていく――。