原子力安全委員会

原子力安全委員会の班目春樹委員長は28日午後の参院予算委員会で、菅直人首相が東日本大震災の発生翌日の12日早朝に福島第1原発を視察したことについて、「首相が『原子力について少し勉強したい』ということで私が同行した」と述べ、首相の判断であることを明らかにした。自民党佐藤ゆかり氏への答弁。


 首相は12日午前7時すぎにヘリで第1原発に降り立ち、1時間弱滞在し、職員らから状況の説明を受けた。同日午後3時半ごろに1号機で爆発が起きており、首相の視察で現場の初動対応が遅れたとの指摘もある。これに関し、班目委員長は「現地において、特に首相が行ったことによって混乱があったとは承知していない」と述べた。


 原発事故への対応に追われる中、首相は16日、笹森清内閣特別顧問に「僕はものすごく原子力に詳しいんだ」と話している。 

原子力安全委員会の班目春樹委員長は22日の参院予算委員会で、東日本大震災に伴う福島第1原発の事故について「(耐震設計が)想定を超えたものだった。世界的な見直しがなされなければならない」と指摘した上で「今後の原子力安全規制行政を抜本的に見直さなければならない」と述べ、従来の原子力安全規制を大幅に見直す考えを明らかにした。事故については「個人的には謝罪する気持ちはある」と述べた。

 社民党福島瑞穂党首が、班目氏が07年2月の中部電力浜岡原発運転差し止め訴訟で、複数の非常用発電機が起動しない可能性を問われ「そのような事態は想定しない。想定したら原発はつくれない」と発言したことを追及したのに対し、班目氏は「割り切らなければ(原発の)設計ができないことは事実。割り切り方が正しくなかったことも、十分反省している」と述べた。

 班目氏が東日本大震災発生直後の12日未明、菅直人首相に「水素が発生する可能性がありますが、大丈夫です」と説明したことについては「(説明で)首相の判断が甘くなったことはないと理解している」と説明した。