韓流雑誌

中国で“東アジア系の外国人=日本人“と思われていたのは今や昔。韓国人より日本人が身近な中国の都市は上海くらいで、残りの地域では“東アジア系の外国人=韓国人”となっている。

 事実、北京の望京という地域をはじめとして、中国全土に韓国人街が点在する。家族そろって中国に住み、子供をインターナショナルスクールに通わせる韓国人は少なくないのだ。大人向けの中国語語学学校でも、子供向けのインターナショナルスクールでも、最も多い外国人は、日本人でなく韓国人である。

 日本よりもさらに自国の市場規模が小さい韓国ゆえだろう、より積極的に中国に移り住み、韓国料理店を開いたり、在住韓国人向けの商店を開いたりしている。韓国料理店はどの大都市にも数多くあり、また輸入品を販売するスーパーマーケットでは、韓国の食材が目立つ。

 中国で身近なのは、韓国人居住者や食材ばかりではない。近年では中国人による韓流のアパレルショップが増え、韓流雑誌をよく見かけるようになった。また家電量販店や大型スーパーマーケットの家電売り場では、薄型大画面テレビのサンプル映像として、韓流アイドルのダンスシーンがよく流れている。このあたりは中国に限らず、東南アジアなどにも言えることではある

日本ではそういった話がないため、中国人が日本のテレビドラマを見るとしたら、画質が低く、ストーリーも途切れ途切れの海賊版しかない。従って、コンテンツを通じて日本の良さが伝わることもなく、韓国に完全に負けている印象だ。SBSの契約を参考に日本のテレビ局も頑張ってほしい。

 中国での韓流ドラマブームの火付け役と言ったら、2002年の「冬季恋歌(冬のソナタ)」と2005年の「大長今宮廷女官チャングムの誓い)」だろう。これ以降、中国でも国営全国テレビCCTVをはじめとした各局で韓流ドラマが放送されたことがあった。ちなみにそのとき中国国民の反応は「どこの世界に外国のドラマばかり放送するテレビ局があるんだ。気分が悪い!」というもので、ネット上ではそういった内容のブログや掲示板のスレッドが増えた。

 現在ではネットでの放送にシフトしたためテレビでの放送は減り、テレビ局への批判もなくなった。確かに、ネットでの配信なら「イヤなら見るな」の理屈も通る。