中央銀行のバランスシートのGDP比

福島第1原発福島県大熊町双葉町)から20キロ圏内に避難指示が出されてから約3週間。避難生活が長期化する中、「ひと目わが家を見たい」「大切なものを取ってきたい」と、危険を承知で一時帰宅する人が相次いでいる。そこで目にする光景は、変わり果てたふるさとの姿だった。

 第1原発10キロ圏内の富岡町左官をしていた男性(47)は、夜中に友人の車で避難先の同県郡山市から自宅へ向かった。体がすっぽり隠れる雨がっぱにゴム手袋、マスク2枚を重ねて着けた。途中で警察官2人から「どちらへ」と尋ねられ、30キロ圏外の村の名前を挙げて「家畜に餌をやりに」と答えて切り抜けた。
 町にたどり着くと、人の気配はなく、牛や犬が徘徊(はいかい)していた。「真っ暗で怖かった。みんな、死んじゃうから放したんだね」とぽつり。自宅からは健康保険証や息子の写真を持ち帰った。「放射線は目に見えないから怖い。でも、大切なものは全て家に置いてきた。できればもう一度戻りたい」と話す。

 一方、郡山市に避難している自営業の男性(48)は、第1原発20キロ圏に入る葛尾村の自宅に3回、荷物を取りに戻った。「外に人が歩いている姿はなかった。店は閉まっていて、自動販売機は壊されていた」と振り返る。男性は自宅から戻るたびに被ばく状況調査(スクリーニング)を受けている。それでも「たまには家の様子を見たい」とつぶやいた。
 こうした動きに対し、福島県は20キロ圏内への一時帰宅の自粛を呼び掛けている。放射能で汚染された可能性のある物品を持ち出すことで、さらなる汚染の広がりが懸念されるためだ。県は国に対し、立ち入りを強制的に制限できる警戒区域の設定も要請している。 

中央銀行のバランスシートのGDP比という〈水準〉については、日本は現金社会なので米国より高いのは当たり前。〈水準〉はこれまでの結果でしかなく、バランスシートのGDP比がどう〈変化〉するかが重要だ。日銀の主張は〈水準〉と〈変化〉をすり替える詭弁だ」

ちなみにWSJが載せた日銀とFRBのマネタリーベースを対GDP比に直したのが図IIである。〈水準〉と〈変化〉の詭弁がよく分かるだろう。

日経など国内の「親日銀」メディアは、どこもWSJ記事を転載しなかった。日銀および白川総裁を小馬鹿にした表現があり、明らかに日銀の海外広報は失敗しているからだ。

笑えるのは文末のオチだろう。WSJ日本版では「総裁は休む間もなく走り続けるところが似ているのか、行内ではひそかに『Qちゃん』(マラソン高橋尚子選手の愛称)と呼ばれている」とあり、総裁は「日銀もいわば非伝統的政策を推し進めるフロントランナー」とトンチンカンに答えている。原文はrunning back-to-back marathonsとforerunner。backとforeの対句や表題の「日本のバーナンキ」で白川総裁は思い切り皮肉られているのだ。

しかも、政局のテーマに「日銀」が浮上してきた。民主党小沢系議員を中心に日銀法改正を旗印とした「日銀議連」(日銀のあり方を考える議員連盟)が発足し、山岡賢次民主党副代表らが、国債の日銀直接引き受けを検討課題にしている。