広範な放射能汚染対策

シンクタンク、科学国際安全保障研究所(ISIS)は15日、声明を出し、福島第1原発事故の状況が国際原子力事故評価尺度(INES)で2番目に深刻な「レベル6」に近く、最悪の

「レベル7」に達する可能性もあるとの見方を示した。
 日本の経済産業省原子力安全・保安院は先に、今回の事故の暫定値を「レベル4」と発表していた。

 ISISは声明で、福島第1原発の1〜3号機で爆発があったことや、4号機の原子炉建屋で火災が起きたことを踏まえ、「この事故はもはや(局所的な影響を伴う)レベル4とはみなせない」と指摘。緊急措置と広範な放射能汚染対策で国際社会の支援が必要だと強調した。

 INESは、安全上の懸念がないレベル0から8段階で評価。1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故を「7」、1979年の米スリーマイル島原発事故を「5」としている。 

東日本大震災津波に伴う日本の危機克服努力を支援するため、米軍は救援活動を強化している。11日の大地震津波を受けて、数何千人の安否が不明で、各地の救援センターに避難した人々は20万人以上に上っている。

 米軍によれば、在沖縄海兵隊は14日朝、救援活動のため、高速軍用フェリーを日本本土に派遣した。このフェリーは商業用のフェリーを改造した糧秣運搬船で、食料や水などのほか、通信機器、兵員、燃料補給用機器を運ぶ。 

 米海兵隊は、陸上の食料・燃料補給基地を設置するための予備調査を続けている。設置場所は仙台の西方になる見通し。米軍スポークスマンは「基地はきょうかあす、つまり向こう48時間以内に設置されよう」と述べた。

 沖縄に駐留している米軍機も救済活動に参加している。海兵隊のプレスリリースによれば、貨物輸送機「KC-130J」2機が普天間海兵隊飛行場に飛来し、司令統制システムを搭載、それを米海軍の厚木飛行場に運ぶという。海兵隊の「CH-46E」輸送ヘリコプター8機も現地に向かう。 

 一方、横田基地在日米軍は14日、米軍機が損傷した福島原子力発電所の風下で低レベルの放射能を検知したため、救援活動で仙台に向けて航行中の第7艦隊が同原発の近海を迂回したと発表した。 

 米海軍の災害対応作戦は、「ロナルド・レーガン攻撃グループ」を中心に展開されている。この中には13日現地に到着し、日本本土の北東部沖合で停泊している7隻以上の軍艦が含まれている。空母「ロナルド・レーガン」は、日本の自衛隊海上保安庁消防庁などが飛ばした救援機の燃料補給基地として救援活動に参加する。 

 このほか、米海軍揚陸艦トーテュガが15日、北海道苫小牧に到着する予定で、日本の自衛隊員300人と軍用車両90台を乗せて青森に運ぶという。