平成13年

〔問 1〕 建物の専有部分に関する次の記途のうち、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)及び民法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

1 専有部分は、区分所有権の目的たる建物の部分である。
2 一戸の専有部分を、複数の区分所有者で共有することもできる。
3 専有部分は、その用法だけでなく用途も規約で制限することができる。
4 専有部分には、共用部分に属する設備があってはならない。


〔問 2〕 区分所有法に定める区分所有者の団体(以下「管理組合」という。)の管理の対象に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 共用部分は、当然に管理の対象である。
2 建物の共用部分以外の附属施設のうち、区分所有者の共有に属するものは、当然に管理の対象である。
3 専有部分内の床下に設置されていて居室から見えない配管は、当然に管理の対象である。
4 区分所有者の共有に属さない敷地であっても、規約で定めることにより、管理の対象とすることができる。


〔問 3〕 Aが、管理組合に菅理者Bが置かれているマンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条第1号のマンションをいう。以下同じ。)の1戸を、その区分所有者と賃貸借契約を締結して占有している場合に関する次め記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Bは、Aに対し、その居住場所に集会の通知をしなければならない。
2 Aは、区分所有者ではないが、集会の決議に拘束されることがある
3 Aは、議題に利害関係を有する場合には、自ら集会に出席し、意見を述べ、議決権を行使することができる。
4 Aは、居室のバルコニーの使用方法につき、賃貸借契約に特段の定めがない限り、規約に定められた制限に拘束されることはない。




〔問 4〕 区分所有法による専有部分と共用部分に関する次の記述のうち、同法及び不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 専有部分を規約により共用部分とすることができ、また、区分所有法上当然に共用部分とされる部分(以下この問において「法定共用部分」という。)を規約により専有部分とすることができる。
2 専有部分を規約により共用部分とすることができ、また、規約による共用部分を専有部分とすることができる。
3 法定共用部分を規約による共用部分とすることはできず、また、規約による共用部分を法定共用部分とすることはできない。
4 専有部分と規約による共用部分は、その旨の表示登記をすることができるが、法定共用部分はその旨の表示登記をすることができない。


〔問 5〕 Aは、マンションの区分所有者Bからその専有部分を賃借しているが、他の区分所有者からの停止の請求を無視して、数年にわたりバルコニーで野鳩の餌付け及び飼育をし、著しい悪臭、騒音等を生じさせたため、B以外の区分所有者全員は、AB間の賃貸借契約の解除及びAの賃借部分の引渡しの請求を行うこととしたい。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 この請求を行うに当たっては、必ず集会で区分所有者及ひ議決権の各3/4以上の多数で決議しなければならない。
2 この請求を行うための集会の決議の前には、必ずAに弁明の機会を与えなければならない。
3 この賃貸借契約の解除は、訴えをもってしなければならない。
4 この請求を行うに当たっては、事前にBの同意を得なければならない。


〔問 6〕 団地(3棟のマンションで構成され、各団地建物所有者が敷地を共有している。)の管理に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 敷地の管理は、3棟の管理組合の管理者の協議により行われる。
2 団地建物所有者及び議決権の各4/5以上の多数で建替え決議をすることができる。
3 敷地に関する規約の変更は、団地建物所有者及び敷地の持分による議決権の各3/4以上の多数による集会の決議によれば、一部の敷地の共有者の権利に特別の影響を及ぼす場合でも、その承諾を得ずに行うことができる。
4 区分所有法に定める手続きを経れば、団地の管理組合は、各棟についてもその管理に当たることができる。


〔問 7〕 管理者の権限又は義務に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 管理者が自己の名義で銀行に預金していた管理費を自己の用途に使った場合、各区分所有者は、区分所有者全員又は管理組合のために、その額について損害賠償を請求することができる。
2 管理者は、規約に特段の定めがない限り、規約、集会の議事録、書面決議の書面及びその事務に関する報告書を保管し、利害関係人の閲覧に供する義務を負う。
3 管理者は、善良なる管理者の注意義務をもってその職務を処理することが必要であり、これに違反した場合には、自己がその事務をその本旨に徒って履行したことを証明しない限り、法的な責任を負う。
4 管理者は、規約に基づき原告又は被告となったときは、区分所有者にその旨を通知することを要しない。




〔問 8〕 甲マンション管理組合(管理者Aが置かれている。)に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 任期途中のAを集会の決議によって解任するためには、規約に特段の定めがない限り、正当な事由が存することが必要である。
2 Aの解任の議案が集会で否決されても、B(区分所有者の1人である。以下この問において同じ。)は、Aの解任の訴えを提起することかできる。
3 Aの選任は、規約に定めを置けば、集会の決議によらず理事会で行うことができる。
4 集会において、AのほかBを管理者に選任することができる。


〔問 9〕 規約として定めることができる事項に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 区分所有者は、共用部分の保存行為を、管理者を通じて行うとすること。
2 区分所有者以外には、集会の議事録の閲覧を拒むことができるとすること。
3 専有部分と敷地利用権を分離して処分することができるとすること。
4 共用部分を、管理者又は区分所有者である特定の者の所有とすること。


〔問 10〕 マンションの共用部分の変更又は管理に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 共用部分については、特定の共有者に専用使用する権利を設定することは認められない。
2 各共有者は、規約に別段の定めがない限り、各自平等に、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。
3 共用部分の変更は、改良を目的とするものであれば、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数による集会の決議を要しない。
4 共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすときは、集会の決議に加え、その専有部分の区分所有者の承諾が必要である。